思い出の遊び『ガスビー』

日付:2022年9月25日

小学生の頃、私たちの間で流行っていた面白い遊びといえば、やはり『ガスビー』だろう。大学時代、地元を離れて友人たちにこの遊びの話をしたことがあるが、「そんなの聞いたことない」と言われた。そのとき初めて、これは私の地元だけで流行っていたローカルな遊びだったのだと知った。

「ガスビー」という名前を初めて聞いた人は、大抵「何それ?」と首をかしげる。実はこれ、「ガラスのビー玉」の略なのだ。つまり、ビー玉を使った遊びである。

ただし使うのは、いわゆる市販の綺麗なビー玉だけではない。主に使っていたのは、ガラス工場などから出る、不揃いで少し濁ったガラス玉のようなものだった。これが「ガスビーの玉」だ。

遊び方はシンプルながら工夫しがいがある。まず、公園の砂場に砂を使って傾斜を作る。そこに、ペットボトルのアルミキャップやビール瓶の王冠をへこみが上になるように埋め込む。そしてその傾斜の上からビー玉を転がし、見事王冠の中に入れば「成功」。成功すると、事前に賭けた数のビー玉を手に入れることができたり、綺麗な色付きのビー玉と交換してもらえたりするのだ。

この遊びは実に奥が深い。子どもたちはビー玉の数や種類を競い合うために、傾斜の作り方や転がし方に工夫を凝らしていた。中には、途中に段差を設けて難易度を上げたり、王冠の前に砂を盛ってハードルを作ったり、筒を砂の中に通してトンネルを作る子もいた。まるで砂場に自作のパチンコ台を作って遊ぶような、自由な発想に満ちた遊びだった。

ガスビーは、「作る楽しさ」「遊ぶ楽しさ」「集める楽しさ」が合わさった、飽きのこない遊びだったと思う。

ただ、この遊びもどうやら私たちの世代限りで流行が終わってしまったようだ。新しい遊びが登場するにつれて、次第に誰もやらなくなり、いつの間にか姿を消してしまった。