薄毛は目立たなくなってきたと思って髪の毛を伸ばしていた。けれども、それは家の中の暗い証明の中でのことだった。外で買い物をしている時に店内の強いLED光の中で鏡に反射した自分の姿を見てぞっとした。
この経験は今に始まった訳ではなく、何度も経験をしている。その度に家の暗い暖色のLEDの光で鏡を見返して自分の髪の毛は薄くないと騙して自分を鼓舞してきたが、もうそれはやめよう。自分に嘘をついて薄毛を気にしないようにしてきたが、やっぱり現実に強い光に当たると、髪の密度がなく薄いのは確かなのだ。それが他者が自分を見ている姿なのだと受け入れることにした。
自分に嘘をついている時は、一応自分は守られているが、外では他者に薄い髪の毛の人であると思われている事実には代わりはない。
何が自分にとって大事なのかと言うと、他人に薄毛の人と思われたくないということだ。それなら薄毛に見えないような対策をする他ない。それは自分に嘘をつくことではなく、短髪にするなど具体的な手段で行使すべきことだ。自分に嘘をついて心を守ることも大事ではあるが、そう騙せる訳ではない。あらゆる所でそれはボロが出てその度に自分の薄毛に失望しては心を痛めることになる。
それなら薄毛であることは認めて、その上で薄毛に見えにくい髪型などにしてちゃんと薄毛を受け入れながらも、人には薄毛に思われにくいものにするのが、自分の利にかなったやり方だ。
なので、髪を伸ばして毛量を物理的に増やして薄毛でないように装うのをやめて、短髪で薄くなっている所が出てしまっても、全体のバランスで薄毛が目立たない坊主にすることに決めた。
最初は、坊主までいかない30ミリの短髪を試してみたが、どうにも中途半端だったので、次に20ミリにして、最終的に12ミリの坊主にすることにした。
頭が絶壁なのででカッコいい坊主頭にはならなかったが、良しとしよう。ネットで調べたら短髪をやりたい絶壁の人は、ソフトモヒカンがいいらしい。昔、美容室にいってた時には、それをやってもらっていたから、自分にはその髪型があっていたのだろう。今は丸坊主になっていて、これはこれで新鮮だし楽でいいが、カッコいい感じではないから、伸びたら次はソフトモヒカンにしよう。