日付:2024年9月3日
長らく、思考ができない状態が続いていた。
頭の中は真っ白で、自分の声――心の内なる言葉――がまったく聞こえなくなっていた。聞こえるのは、体が感じる痛みや不快感ばかり。自分の意志ではなく、体調によって思考が支配されてしまっていた。
原因は、無理なダイエットからくる栄養失調、睡眠障害、そしてうつ病。いずれも自己診断ではあるが、今振り返れば間違いはないと思う。
そんな状態から、ようやく少しずつ回復の兆しが見えてきた。まだ完全ではないが、眠れるようになり、自分自身の声が少しずつ戻ってきた。言葉が戻るというのは、思考が戻ってきたということ。生きている実感が、ようやく少し取り戻せた。
長くて辛い道のりだった。思考できず、生産性もなく、大切な年月を無為に過ごしてしまった後悔もある。でも今は、やっと「これから」へ踏み出せそうだ。
ただ、回復の道中で気づいたことがある。
体調が悪いと、人は思考力を失い、ただ痛みに反応する“ロボット”のようになってしまうということだ。
不快感と痛みに支配された人格は、常にイライラしていて、怒りっぽくなる。他人のちょっとした言動にも過敏に反応し、苛立ち、暴言すら吐いてしまう。まるで“怒れる、イカれた男”になってしまったかのようだった。
それは、自分の意志ではどうにもならないことだった。怒りたくないと思っていても、反射的に怒りが湧き、瞳孔が開き、呼吸が荒くなり、自ら怒りを増幅させていく――そのサイクルが止められなかった。
怒りにエネルギーを使い果たすと、さらに消耗し、余計に怒りやすくなるという悪循環。
そして、周囲の人には「ただ怒りっぽい人」「イカれた人」と見られてしまうのが何より辛かった。自分でもわかっているのに、どうすることもできない苦しみがあった。
健康を崩すと、心や人格すらも変わってしまう。これを理解してもらうのは難しい。
原因が健康問題であるなら、対処すればすぐ治る――そう思うかもしれないが、実際はそう簡単にはいかない。いろいろ試しても改善しない長い戦いが続いた。
もしかしたら、専門家の力をもっと早く借りていれば違ったのかもしれない。けれど、それはもう過去の話。
今はただ、少しでも取り戻したこの状態を大切にし、これからも無理をせず、心身のバランスを整えながら暮らしていきたいと思っている。