1.「ただ聞きたいだけなのに」僕たちがイライラする理由
最近、年老いた親との会話が、どうもスムーズにいかない。特に、母と電話で話すときなど、たった一つのことを聞きたいだけなのに、話がまったく違う方向へ進んでしまう。
例えば、「この前の健康診断の結果はどうだった?」と聞いても、返ってくるのは「近所の〇〇さんの娘さんがね、最近引っ越したみたいで…」といった、まったく関係のない話。
何度も「健康診断の話だけど」と軌道修正しようとするけれど、まるで聞いていないかのように、会話はあらぬ方向へ。
僕が聞きたいのは、ただ結果を知りたいという**「情報」**だけなのに。
ついイライラしてしまい、声が少し荒くなる。「いや、だから結果はどうだったの?」と、たたみかけるように聞いてしまう。
そんな経験、あなたにもありませんか?
悪気がないのはわかっている。でも、なぜか会話が噛み合わなくて、自分でも嫌になるくらい苛立ってしまう。
2. なぜ、僕たちの会話は噛み合わないのか?
僕は、親との会話がなぜこんなにも難しいのか、自分なりに考えてみた。
それは、親世代と僕たちの**「会話の目的」が違うからかもしれない。
僕たちは、会話を「情報交換の手段」**だと考えている。聞きたいことを聞く、知りたいことを知る。シンプルで効率的なコミュニケーションだ。
でも、親世代は違うのかもしれない。彼らにとって、会話は**「対話そのもの」**が目的だ。答えを教えるついでに、最近あった出来事や、心に引っかかったことを話したい。会話は、効率よりも「心のやりとり」なのだ。
親は、僕たちが「質問の答え」を求めていることすら、あまり意識していないのかもしれない。僕が「健康診断の結果は?」と聞くのは、僕が「話を聞きたい」と思っているからだと解釈しているのかもしれない。
そう考えると、イライラの矛先をどこに向けたらいいか、少しだけわからなくなった。それは、親の「欠点」ではなく、ただ単に僕たちと違う「コミュニケーションの癖」なのだと気づいたからだ。
3. 疲れないための3つの対応策
この気づきから、僕は親との会話に臨む姿勢を少しだけ変えてみた。
完璧な会話を目指すのではなく、まずは自分が疲れないようにすること。
1. 質問はシンプルに、選択肢を添える
話がそれないように、「はい/いいえ」で答えられるクローズドクエスチョンや、選択肢を提示するようにした。
例えば、「健康診断の結果は、別に問題なかった?」と聞く。すると、「うん、大丈夫だったよ」とシンプルに返ってくる。
さらに、「AとB、どっちが欲しい?」と尋ねれば、話がそれる隙を与えない。
2. 目的を「情報交換」から「対話」へ変える
これは少し難しいけれど、効果は大きかった。
質問の答えにこだわらず、話がそれても、とりあえず相槌を打ってみる。「へえ」「そうなんだ」と、ただ話を聞くことに徹する。
すると、不思議とイライラが減っていくのを感じた。会話の目的は、情報を得ることではなく、ただ親と時間を共有すること。そう割り切った方が、ずっと心が軽くなった。
3. 感情をコントロールする方法を持つ
それでも、どうしてもイライラが止まらない時は、一度、物理的にその場を離れる。
「ごめん、ちょっと用事があるからまた後でね」と言って電話を切ったり、別の部屋へ行ったりする。
深呼吸を一つするだけでも、頭に血が上るのを防ぐことができる。
4. 読者へのひとこと・まとめ
親との関係は、僕たちにとって特別なものだ。
だからこそ、会話がうまくいかないだけで、こんなにも深く悩んでしまうのかもしれない。
僕たちは、親を完璧な「話し相手」だと期待しすぎているのかもしれない。
でも、親も一人の人間。僕たちが完璧ではないように、親も完璧ではない。
この記事を読んでくれたあなたが、親との関係を少しでも楽に感じてくれることを願っている。
完璧な会話を目指すのではなく、まずは「まあ、いっか」と、自分自身を許してあげること。
そして、小さな一歩から、会話のやり方を変えていくこと。
それが、きっと、お互いの関係を少しずつ良い方向へ導いてくれるはずだ。
